阿弥陀岳北稜
◎メンバー
メンバー、左から伊藤(書記)、坂本(CL)、野戸
今年12月の冬合宿の一部は槍ヶ岳中崎尾根に行くことになっています。しかしながら、槍ヶ岳中崎尾根登攀メンバーは夜も眠れないほどの悩みを抱えていたのでした。その悩みとは…、
・坂本部長は夏の海外遠征で負傷した怪我からアルパインをしていない
・野戸さんは業務多忙による錬成不足と膝の痛み
・伊藤は5月の利尻富士遠征から半年以上まともに登山をしていない(←だらしない)
こんな課題を抱えて、冬の中崎尾根に登れるのか…。この日も人さらいに襲われる悪夢を見たというメンバーもいて、相当ナイーブになっていると言えます。それぞれの課題を克服すべく、強化登山が行われたのだった!
12月22日 この日はみんな忙しく、夜出発です。野戸さんは通常業務を終えて20時まで自宅で登山の準備を、坂本部長は21時まで仕事、伊藤は昼間から楽しい忘年会をしていました。ということで、伊藤の車で野戸さんと坂本さんを拾って、21時に横浜を出発、24時に長野県原村に到着しました(忘年会ではお酒飲んでません、本当です。) 原村にある秘密の宿屋に泊まり、1時ぐらいに就寝、4:30起床して車で美濃戸に向かいます。
美濃戸(6:10)~業者小屋(8:00)~取付き(9:40)~阿弥陀頂上(11:00)~業者小屋(12:00)~美濃戸(14:00)
※予測タイムより大幅に早くなりました。
美濃戸の駐車場はガラガラだったので駐車は余裕でできました。しかし12月だというのに美濃戸周辺にはほとんど雪がなく、気温もマイナス3~6度くらいで暖かい。
「マイナス3度なんて、ずいぶん暖かいですねー。」というような話をしているメンバー。街中だと5度でも寒くて耐えられないのに、ほんとにおかしな会話だと思います。
それにしても阿弥陀岳も雪が積もってなかったらアルパインはどうなってしまうんだろう?ナイフブリッジとかどうなんの?という不安がありました。
業者小屋に向かう途中の南沢ですが…雪がちらほら積もっている…。12月とは思えないほど少ない雪量です。でも業者小屋に着く頃には、雪がまあまあ積もっていました。
阿弥陀岳にも少ないけど雪がある!大丈夫!
阿弥陀北稜
8:10頃、業者小屋を出発して、取り付きへ向かいます。他に1組だけ北稜に向かう3人パーティがいて先行しているみたいです。うーん、アルパインで渋滞したら嫌だなぁ。
取り付きまでのアプローチは傾斜が結構きつく、さらに野戸さんが鬼ペースで登るので全員息切れしました。アプローチの途中で野戸さんがルートファインディングで閃き、先行トレースを外れて直登ラッセルを開始!これが功を制して、先行パーティを抜かして、取り付きに一番で到着することができました。
下に業者小屋が見えますね
尾根伝いに取り付きを目指します
一部ダブルアックスで登った方が楽そうなところもありました(でもシングル)
いやぁ~きついっす。野戸さんが飛ばすから、おじさん横っ腹痛くなっちゃったもんね!
取り付きに到着(9:40) 左側にハーケンが二つあるのが見えますか?
登攀開始、初心者向けのルートなので簡単でした(内心すごくホッとしています)
8ミリロープ1本使用。雪が少ないので、岩稜登攀です。アイゼンワークの不慣れからか、上の写真もへっぴり腰ですね。ナイフリッジも雪が少なくて結構怖かったです。
アッセンダーを活用した登攀を試みる野戸さん、初めてなのにすごい
登攀中の景色も良かった。赤岳と右奥に富士山。
2ピッチで終了、ルートグレードⅠ級ということもあり特別難しいところはなく、サクサク登れました。トランシーバーを活用して意思疎通が簡単にできたのも良かったですね。途中で抜かしたパーティも登攀待ちすることもなかったので、結果的に抜かしてよかったですね。
11:00山頂に到着。ちょっと寒い(-6度)
サクッと下山
14時には完全下山というスピード登山となりました。おかげで駆け上がるように登山したので心肺強化の訓練にもなりました。メンバーそれぞれの不安と課題を解消できたと思います。
総評
トランシーバーはすごい(小学生並みの感想)