2017年8月14日月曜日

2017.8.4~6 金木戸川双六谷

 こんばんは。暑い日が続きますね。Nです。夏休みを利用し沢登りをしてきたので報告します。
 台風が懸念され、直前まで行き先を変更しようか悩んでいたが、とりあえず現地に行って決めようとの話となり決行した。当初の予想をよい意味で裏切り、大成功の山行となった。

 メンバー:部員M、S元部長、N
左からS、M、N


 8/3夜22時頃、相模大野発。原村PAでSさんと合流し翌3時双六ダム着。ダムまでの道は神岡鉱業のトラックなども入るため、よく整備されていた。テントを設営しすぐに就寝。

 8/4 5時半起床、6:50発。まずは広河原まで長い林道歩きだ。眼下に深い谷を望みながらひたすら距離を稼ぐ。7:40作業小屋8:35中ノ俣川分岐。途中、林道が崩壊しており、巻道が作られていた。10:35小倉谷出合。吊り橋から軌道跡をたどって打込谷出合を目指すがすぐにヤブ漕ぎとなってしまう。明らかに誤っているのでとりあえず高度を上げると踏み跡があった。30分ほどロスした。12:25やっとで打込谷出合着。白い岩と夏らしい濃い緑。そして青緑色の水。ただただ暑い林道歩きから解放され皆気分が高まった。
奥が崩落した林道。巻道がつけられていた

こんなところにも道標がある










 出合からしばらく右岸をへつるがすぐに徒渉が必要となる。対岸に渡るために飛び石で岩を渡っていくのだが結構ジャンプが必要で岩が左側に傾斜しているので左足で着地しなければならない。部員Mはトントンと簡単に渡ったが私は左足のバランスが3年前からゼロのためバランスを崩し倒れこみ右ひざを強打した。これ以降両膝のバランスがなくなってしまいかつ、飛び石渡りがどうも怖くなり、他2人には歩速の面で迷惑をかけてしまった。とにかく水量が豊富で、大きな谷に入った経験のない我々は徒渉点の選定に時間をかけたことと、林道歩きの疲労の蓄積により、予定していたよりも行動には時間がかかった。
 17:10センズ谷出合。夕立にあいつつ、幕営地を探しながら歩き河原から3mほど上がったところによい場所があったので幕営。今回初めて使用するタープを設営しすぐに焚火の火を熾し宴会・夕食とする。炊き込みご飯は焦げたが美味しく食べた。少しぱらっと降ったが天気は崩れることはなかった。
ザイル徒渉するM

徒渉は胸までつかる



いい表情のM











下部は針葉樹が多い。岩がいちいち大きい

 















 8/5 6時起床。今回シェラフカバーだけで寝たが、酔っぱらって靴下も雨具も着用せず寝てしまったため寒かった。火を蘇生し、朝から焚火。7:45発。よい天気の中をしばらくは河原歩きが続く。両岸から大きな滝が出合うが、本谷自身には大きな滝はなくクライミング要素はあまりない。しかし、ゴーロの乗越などで結構腕の筋力も使う。部員Mと交代しつつ進んでいくが、私は膝に力が入らず、たびたび部員Mに引っ張り上げてもらった。
朝の双六谷。気持ちいい
滝をバックに




美しい淵

美しい水


 深い淵は相変わらず青く美しく、イワナも多い。気分よく進む。右岸・左岸どちらかはへつれるので水量が多くなければ徒渉して難なく登っていける。一か所ゴルジュで両岸がつるっとしている場所があり、左岸に残置シュリンゲがあった。シュリンゲを使っても、結構悪そうだったので部員Mに先行してもらう(厳しそうなところは大体忍者Mに行ってもらったのだ)。トラバースから降りるところで長い間踏ん切りがつかない感じだったが突破。その間、S元部長と私は泳いで突破を試みるも無駄に溺れかけた。結局部員、いや忍者Mにザイルで引っ張ってもらい泳いで突破した。本谷で核心といえるのはここだろう。12時蓮華谷出合。平凡なゴーロで出合っている。13:40、最後の滝を超えると水量も減り水もいくらか冷たくなった感じがする。そろそろ疲れたと思い始めたころ、渓相が開け河原状になったので、ビバーク地を探すため手分けしてうろうろ。右岸の台地の笹薮に切り開かれた場所を発見。今回導入したおもちゃのピストル(ダイソー)を2発鳴らし、本日の宿とする。15:30着。
蓮華谷出合

おそらく六千尺の滝

 幕営地に着く前に強めの夕立があったため、火はつきにくかったが、S元部長のバーナーも使い、根性で着火。夕飯はα米とスパム、麻婆春雨であった。私は今回もビール、焼酎、バーボン、日本酒と豊富なラインナップをそろえてきたのだが、翌日も長いので控えめにし、バーボンは残した。21:30就寝。食事中は小降りであったが、寝る直前から雨脚は強まっていた。

 8/6 5:30起床。雨は夜中に上がり空は青空も見えている。7:15発。上部にすぐ雪渓があるためか、水は冷たく、朝靄が立ち上がり幻想的だ。穏やかな渓相だが、茶ゴケで非常に滑りやすくなっているため、気は抜けない。少し行くと雪渓が覆いかぶさっており、右岸から雪渓の上に出た。雪渓は大きなものが2か所あった。9:30二俣。双六小屋を目指すため右へ入る。この辺りは前方に双六岳が大きく一面お花畑となっていた。二俣を過ぎるとすぐに水が涸れたため給水をした。源頭の雰囲気となり暑い中を登る。ヤブ漕ぎなしで10:40双六小屋から小池新道途中の登山道へ出た。ここで沢装備を解除。2日間他パーティーとは誰とも会わなかったが、多くのハイカーが通り過ぎていく。実家の父に迎えを頼むため双六小屋のGPS電話を借りに行ったりし、11:20発。12:20鏡平。14:25ワサビ平。ここで父と合流。セカンドバックに折りたためない傘という出で立ちだった。15:25新穂高着。帰りはあっというまであった。16:00双六ダムにて解散。

朝の靄

雪渓を上がる場面も

二俣。右へ入る

お花畑にて

双六谷遠望



 今回の双六谷は私がこの2年ほど温めていた計画だったので、絶対に成功させたいと考えていた。天気予報は悪かったが、結果好転し、また強いメンバーにも助けられ、結果よい夏の山行となった。お天気と仲間に感謝である。

 総評:両足にサポーターを巻こう。