2017年10月15日日曜日

八ヶ岳・大同心クライミング

 こんにちは、上野です。
 今年は夏から秋にかけて週末は雨に見舞われていますが、晴れ間を縫って八ヶ岳へ行ってきましたので報告します。

日程:2017年10月8~9日 一泊二日
メンバー:上野、廣井
目標:日頃のストレス解消?


 当初、山岳部では例年通り小川山クライミング・キャンプを予定していましたが、前日までの雨で中止。
 かねてからの公約もあり、先着一名様限定でヒロイさんと八ヶ岳の大同心へ出かけました。

 大同心は八ヶ岳の一角に聳える岩峰で、隣には小同心もあります。
 ちなみに同心とは江戸時代の下級武士・役人を意味するようで、赤岳や横岳、硫黄岳といった主要な山の下に控えた従者的存在から来ているようです。(まるで自分みたい?)

10/8 大同心南稜
 朝、相模大野集合。圏央道から中央道に乗ろうとするが早くも渋滞。
 東名から御殿場、大月経由と作戦変更し、難場を凌ぐ。
 雪の無い八ヶ岳は久し振り。いつも冬にばかり来ているので、緑の阿弥陀岳が新鮮です。

 二時間ちょっとでベースとなる赤岳鉱泉に着。
 速攻でテントを張り、この日のうちにまずはリハーサルがてらショートルートの南稜を登ることにします。



 アプローチは大同心稜。
 この時点で一般登山道を離れ、立入禁止のロープを潜っていきます。
 基本的に自己責任の世界ですが、既に堅気の世界から逸脱しつつあるヒロイさんは危なげなく付いてきてくれます。

 大同心稜を登ること小一時間。目指す岩峰が見えてきました。
 今日登る南稜はその名のとおり南側に位置する岩のリッジ。
 夕暮れも迫っているので、岩峰の「肩」までの3ピッチとしました。


 八ヶ岳はその昔、火山だったことから、この辺の岩壁は大小さまざまな大きさの石を土台となる壁にセメントで貼り付けたような独特の形状をしています。
 これは熱い溶岩が急速に冷えて固まったもので、溶接と同様、一見ポロッと取れそうな岩でも意外としっかりくっついているものです。
 それでも最初のうちは恐る恐る、ホールドがしっかりしているか一つ一つ確認しながら慎重に登っていきます。
 日頃、横浜のクライミングジムや湯河原の岩場、そして既に穂高や谷川岳のルートも登っているヒロイさんには楽勝です。





 問題なく初日のクライミングを終了。
 周囲の山や森がオレンジ色に染まる中、ベースの赤岳鉱泉へ下ります。

10/9 大同心正面壁・雲稜ルート
 朝5時半起床。山の朝は早いですが、それでも昨日はTVやスマホなどで夜更かしせず、19時には眠りに入ったのでたっぷり10時間睡眠です。
 なんて健康的なんでしょう。w
 
 朝食を済ませ、昨日と同じアプローチの大同心稜を登ります。
 昨日のうちにロープやその他の装備は岩場の脇にデポしておいたので、これは正解。
 ルートはあいにく先行組がいて貸切ではありませんでした。二番手としてスタート。
 
 岩の形状は昨日と同じく、壁の表面からボコボコと大小の岩が飛び出した形ですが、今日のルートの方は傾斜が垂直から薄被り。グレード(困難度)も少し上です。
 それでもリードを順番に交替しながら、順調に高度を上げていきます。






 登っている時は目の前にある岩の一つ一つに気持ちが集中していますが、たぶん稜線を歩く一般登山者からは凄い所を登っているように見えると思います。
 これがアルパイン・クライミングの醍醐味ですね。
 
 先行パーティーの時間待ちもあって少し時間がかかりましたが、それでも無事に大同心の頭まで完登。
 日頃の練習の賜物です。
 
 クライミングは危険もあり、好きな人にだけお勧めしていますが、こうした非日常的な体験ができるのも山岳部ならでは。
 仕事とはまた違う達成感を味わいたいと思ったら、山岳部へ入ってみませんか。
 やさしい(?)オジさん、オネーさんが懇切丁寧に指導します。
  
 (上野・記)

韓国の山旅(個人山行)

 こんにちは、上野です。
 最近、ブログの更新も途切れがちですが、市役所山岳部は粛々と活動しておりますのでご安心(?)ください。
 天候不順が続く中、韓国へ行ってきましたので報告します。


日程:2017年9月14日(夕方)~18日、実質3日間(単独)
目標:韓国の岩を制して、肉も制す!


9/14 成田-ソウル
 九月の三連休に夏休1日半プラスして韓国へ。今回は成田から出発しました。
 国際線なので二時間前には空港へ行き搭乗手続きをしましたが、飛行機の所要時間もほぼ二時間。
 そこから小一時間鉄道に乗れば、もうソウルです。



 日本でも公共機関にハングル表記が珍しくなくなりましたが、それ以上にあちらは日本に対して親切です。
 案内板や鉄道の券売機、車内アナウンスも日本語対応で、一人でもまったく問題なくスムーズに現地入りできました。
 さらに向こうの人はフレンドリーで、道を尋ねると自分のスマホを出して、時には同行して目的地まで連れて行ってくれます。
 東京五輪が近づく中、日本もこうあるべしと勉強させられます。


9/15 北漢山・仁寿峰(インスボン)クライミング

 この日は、事前に予約しておいた韓国山岳ガイドのジョンとクライミングです。
 韓国にはそれほど高い山はありませんが(最高峰でも済州島のハンラ山で2,000m弱)、首都ソウルの近郊には特異な岩山が数多くあります。
 その代表的なものが「仁寿峰(インスボン)」で、標高810m。
 白い花崗岩の岩山で一般的な登山道は無く、フリークライミングで登ります。







 本日登ったのは、シュイナードBとインスAというルートで、主に岩の割れ目(クラック)を利用して登りました。
 標高は低いながら剥き出しの高度感は十分で、日本ではなかなか味わえない爽快なロケーションを楽しみました。

 夕方には下山し、日本より格段に安い登山用品店などを物色し、夜は焼肉です。

9/16 北漢山・仁寿峰(インスボン)クライミング

 引き続き、ガイドのジョンとクライミング。
 昨日はフェイス(壁)クライミングでしたが、今日はリッジ(岩稜)クライミングです。


 この日も最高の天気に恵まれました。
 日本では今頃、台風が上陸しているはずですが、どうなっているでしょう。こちらの空はまったくのアナザースカイです。






 それにしてもソウルの人々は登山が好きです。
 他に手軽なレジャーがないと言ってしまえばそれまでですが、ソウル市街から小一時間も乗れば魅力的な岩山がゴロゴロしているという地の利もあって年配者から山ガールまでクライミングやハイキングを楽しんでいます。

 韓国といえば「KARA」や「少女時代」(古い?)を思い浮かべますが(笑)、とにかくあれだけ焼肉を食べる文化がありながら皆シェイプアップされているのは、健康的に運動を続ける国民性からだと思います。
 同じアジアの国ながら、オリンピックで韓国と日本ではメダルの数がまったく違うのをご存知ですか。


 この日の夜は牛鍋としました。しかし、これはイマイチ。
 同じ肉でも牛なら日本、韓国は豚。これが基本です。(笑)


9/17 道峰山(トポンサン)ハイキング

 実質的に最終日。今日はジョンが空いてないため、一人でハイキングです。
 ソウル市街から地下鉄に乗って小一時間、道峰山という所へ出かけました。

 
 イメージとしては東京から高尾山、横浜から丹沢の大山といった感じですが、それよりももっと身近に感じられます。
 そして平坦な市街地からボコンと突き出た山容のため、頂上からの景色はとても標高700mとは思えないほどです。






 下山後は明洞(ミョンドン)でお土産品を物色。
 ロッテ百貨店をはじめ多くの人で賑わう、銀座と渋谷をミックスしたような街でした。 
 夜はキムチ鍋です。こちらが何にしようかと迷っていたら、勝手に店のおばちゃんが決めてしまいました。
 日本人ならキムチ鍋にしとけば間違いないと思われているようで、今後行く時は注意が必要です。

 
 この日は空港ロビーで仮眠。翌早朝の便で帰国し、三泊五日の現実逃避(?)トリップを終えました。

(まとめ) 
 韓国は二度目でしたが、それにしても近いです。
 思い立ったのが三週間前。航空券も宿もネットで簡単に取れ、下手に国内の遠くの山へ行くより全然、手軽に行けてしまいます。
 今回は成田からの便でしたが、飛行機代が往復で28,000円、宿はバックパッカー向けの安宿ですが、素泊まり三泊でたったの2,000円で済みました。
 そして横浜から半日もかけずに、もうソウルです。

 さらに韓国といえば焼肉天国。まさに「早い、安い、旨い」と、どこかの牛丼屋のような手軽さです。



 また、今回特に感じたのは人の優しさ。
 最近では戦時中の問題から来る反日感情、前大統領の更迭やら隣の北朝鮮の不穏な動きなど、何となく緊張した雰囲気が
日本のメディアから発信されていますが、そんな心配は無用。
 市民の人たちはいたって明るくみな親切で、こちらが日本人だと言うと片言の日本語で「コンニチワ」「ハジメマシテ」「アリガトウ」などと笑顔で返してくれます。

 というわけで結論。京都もいいですが、「そうだ、韓国へ行こう!」

 (上野・記)